🌱 こころ

暗算が速い人は、速く計算していない|やっているのは手順を減らすこと

この記事でわかること

  • 速さの正体は処理の速さではなく、踏む手順の数
  • きりのいい数に寄せる・分けて掛ける・置き換える の3つで多くが片づく
  • 検算は全部やり直さない。一の位と桁数だけ見る
  • 速さを測るなら、条件をそろえないと何も分からない

「暗算が速い人は頭の回転が速い」と言われます。ただ、実際に速い人がやっていることを分解すると、回転を上げているのではなく、回す回数を減らしています。

たとえば 98 + 47。筆算どおりにやると、一の位で繰り上がりが出て、十の位に足して…と手順が続きます。速い人はこうします。

  • 98 を 100 とみなす → 100 + 47 = 147
  • 2つ多く足したので 147 − 2 = 145

繰り上がりが1回も出ていません。難しい計算を速くしたのではなく、難しい計算をしない形に作り替えただけです。ここが暗算の中身です。

1. きりのいい数に寄せて、あとで戻す

足し算と引き算のほとんどはこれで片づきます。9・8で終わる数、98・99のような数を見たら寄せます。

もとの式寄せる戻す答え
98 + 47100 + 47 = 147− 2145
1980 + 6502000 + 650 = 2650− 202630
523 − 198523 − 200 = 323+ 2325
4000 − 17504000 − 2000 = 2000+ 2502250

← 表は横にスクロールできます →

引き算のときは戻す向きが逆になります。多く引いたぶんを足し戻す、と覚えるより「引きすぎたから返す」と考えるほうが間違えません。

2. 掛け算は、分けるか置き換える

掛け算で手順が増えるのは、2桁×2桁をそのまま処理しようとするときです。分けると、九九と足し算に落ちます。

もとの式分け方計算答え
18 × 5×10 してから半分180 ÷ 290
24 × 25×100 してから4で割る2400 ÷ 4600
32 × 15×10 と、その半分を足す320 + 160480
47 × 8×8 = ×2×2×294 → 188 → 376376
63 × 11×10 と ×1 を足す630 + 63693

← 表は横にスクロールできます →

5は「10の半分」、25は「100の4分の1」、15は「10と5」。この3つを置き換えとして持っておくだけで、掛け算の相当な部分が九九になります。

3. 検算は、全部やり直さない

答えを確かめるときに最初から解き直すのは、時間が倍かかるうえに、同じ勘違いを2回するので効きません。見るところは2つだけで足ります。

  1. 一の位だけ合わせる。 47 × 8 なら、7 × 8 = 56 で一の位は 6。答えが376なら合っています
  2. 桁数を見積もる。 47 × 8 はだいたい 50 × 8 = 400。答えが3760や37.6なら、その時点で違うと分かります

この2つで捕まるのは、桁のずれと九九の取り違えです。暗算のミスはほとんどここに集まるので、2秒の確認で大半が防げます。

速さを測るなら、条件をそろえる

手順を減らせたかどうかは、測らないと分かりません。 ただし条件がそろっていない記録を並べても、何が変わったのかは読み取れません。

  1. 同じ端末で測る。 入力方法が変わると、計算ではなく操作の速さを測ることになります
  2. 同じ時間帯で測る。 処理の速さは睡眠不足と疲労ではっきり落ちます
  3. 初回は捨てる。 最初の数回は操作に慣れるぶんだけ上がります
  4. やり方を変えた前後で比べる。 「寄せる」を使う前と後で分けて記録すると、手順が減ったかどうかが数字に出ます

まとめ

  1. 速さの正体は手順の数。 難しい計算を速くするのではなく、難しくない形に作り替えます
  2. 寄せて戻す。 98 → 100 で計算し、あとで2を引く。戻す指示は先に決めておきます
  3. 分けるか置き換える。 ×5 は ×10 ÷ 2、×25 は ×100 ÷ 4、×15 は ×10 とその半分
  4. 検算は一の位と桁数だけ。 解き直すより速く、捕まるミスの種類も多いです
  5. 測るなら条件をそろえる。 端末・時間帯・初回を捨てる。やり方の前後で分けて記録します

よくある質問

Q. 暗算が苦手ですが、練習すれば速くなりますか。
この記事で挙げた「寄せて戻す」「分けて掛ける」は、覚えれば当日から手順が減ります。速さの多くは処理の速さではなく手順の数で決まるためです。一方で、暗算の練習が計算以外の能力にも効くとは示されにくいことが報告されています。
Q. 筆算とどちらが正確ですか。
桁数が多い計算や、記録を残す必要がある計算は筆算のほうが確実です。暗算が向くのは、買い物の概算や割引の確認のように、その場で桁の見当がつけば十分な場面です。
Q. 計算ミスが多いのですが、どう減らせばいいですか。
検算のやり方を変えるのがいちばん早い方法です。最初から解き直すのではなく、一の位だけを合わせ、桁数をざっくり見積もります。暗算のミスは桁のずれと九九の取り違えに集まるため、この2つで大半が捕まります。
Q. そろばんやフラッシュ暗算はやったほうがいいですか。
当サイトでは特定の手法の効果を評価していません。確かめられた根拠を持たないためです。この記事で扱っているのは、その場で確かめられる計算の組み替え方だけです。
Q. スコアが日によって違うのはなぜですか。
処理の速さは睡眠不足や疲労で落ちます。同じ人が同じ日の朝と深夜に測れば、はっきり違う結果が出ます。比べるときは時間帯と端末をそろえてください。

この記事の出典

制度は改正されます。手続きをする前に、必ず上記の一次資料または 所管の窓口で最新の内容をご確認ください。

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