カリスマ性とは何か|「影響力」と「親しみやすさ」の2つに分けると、足りないほうが分かる
出典 Journal of Personality and Social Psychology ほか1件
この記事でわかること
- カリスマ性は「影響力」と「親しみやすさ」の2つの合成として測られている
- 片方だけが高い人が、いちばん「カリスマがない」と誤解されやすい
- 話し方や見た目は、この2つとは別の軸(どう出るか)の話
- だから足りないものを探すときは、まず2つのどちらが低いかを見る
「あの人にはカリスマ性がある」と言うとき、私たちは何を見てそう言っているのかがはっきりしません。オーラ、雰囲気、存在感——どれも言いかえただけで、中身を指していません。
ところが心理学では、この言葉を2つの成分に分けて測るやり方が定着しています。分けてしまえば、「自分に足りないのはどちらか」まで下りることができます。
カリスマ性は2つに分けて測られている
日常のカリスマを測るために作られた General Charisma Inventory という尺度は、カリスマを次の2つの合成として定義しています。
| 成分 | 何をする力か | こう見える |
|---|---|---|
| 影響力 | 人を動かし、進む方向を決める力 | この人が言うならやる/決めきれない場面でまとまる |
| 親しみやすさ | 相手の緊張をとき、そばにいて楽にさせる力 | 話しかけやすい/気づいたら話しこんでいる |
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ここで大事なのは、この2つが別々に動くということです。片方が高ければもう片方も高い、という関係ではありません。だから現実には4通りの組み合わせが出ます。
| 影響力 | 親しみやすさ | 周りからどう言われがちか |
|---|---|---|
| 高い | 高い | 「カリスマ」と呼ばれる。数は少ない |
| 高い | 低い | 「すごいけど怖い」「有能だが近寄りがたい」と言われる |
| 低い | 高い | 「いい人」で終わる。慕われるが、決める場面で名前が挙がらない |
| 低い | 低い | 「静かな人」。存在に言及されること自体が少ない |
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話し方や見た目は、この2つとは別の話
カリスマ性の話になると、すぐ「声の出し方」「姿勢」「服装」に行きがちです。ですがこれらは、上の2つの成分そのものではありません。 成分が外に出るときの通り道です。
- 言葉で出る人がいる。 たとえ話、対比、問いかけ。話した内容が残るタイプです
- 立ち居振る舞いで出る人がいる。 声の変化、表情、間の取り方。何を言ったかより「その場の空気」が残るタイプです
- どちらが優れているという話ではありません。 同じ影響力でも、出口が違うだけです
この「言葉か、身体か」という分かれ方には元があります。カリスマ的な話し方の技法を12個に整理した研究があり、その12個は言葉の技法9個と、体の技法3個に分かれています。 出口が2つあるというのは、この内訳から見て取れる話です。
低いほうを上げるなら、どちらかで手の付け方が違う
影響力が低いとき
影響力は「意見を持っているか」ではなく「結論の形で出したか」で見えます。同じことを考えていても、最後に「じゃあこうしよう」と言った人のところに影響力は付きます。
- 話し合いが止まった場面を1つ思い出す。 そのとき自分は何を考えていたかを書き出します
- それを「〜だと思う」ではなく「〜にしよう」の形に書き直す。 ここが影響力の分かれ目です
- 次に同じ場面が来たら、その形で1回だけ言ってみる。 通らなくてもかまいません。回数のほうが効きます
親しみやすさが低いとき
親しみやすさは性格の明るさではありません。 尺度が拾っているのは、相手の緊張が下がる動作のほうです。無口な人でも点は取れます。
- 相手が言いよどんだとき、先に言わずに待つ。 待てる人は「話しやすい」と言われます
- 自分の失敗を1つ、笑い話として持っておく。 距離がある相手ほど効きます
- 次に会ったとき名前で呼ぶ。 これは覚えるかどうかだけの話で、性格は関係ありません
まとめ
- カリスマ性は、影響力と親しみやすさの2つに分けて測られている。 オーラや雰囲気という言葉で止めない
- 2つは別々に動く。 片方だけ高い人が、いちばん「カリスマがない」と誤解されやすい
- 話し方や見た目は、2つとは別の軸。 成分そのものではなく、出口です
- 上げるなら、低いほうだけを足す。 影響力は結論の形で言う、親しみやすさは相手の緊張を下げる動作から
- カリスマ性は相手の側にできる評価。 直接いじれないので、行動のほうを動かします
よくある質問
- Q. カリスマ性は生まれつきのものですか。
- 全部が生まれつきというわけではありません。カリスマ的な話し方の技法を教えた前後で、聞き手からのカリスマ評価が変わったという実験が報告されています。ただし効果の大きさは訓練の条件や測り方によって変わるため、どれだけ上がるかを一般化して言うことはできません。
- Q. 「影響力」と「親しみやすさ」のどちらが大事ですか。
- どちらが上ということはありません。両方が高いときにカリスマと呼ばれるので、自分に低いほうを足すのが最短です。片方だけを伸ばし続けると、「すごいけど怖い」か「いい人止まり」のどちらかに寄ります。
- Q. 人前で話すのが苦手でも、カリスマ性はありますか。
- あり得ます。人前で話すのは影響力が外に出る場面の1つにすぎず、親しみやすさのほうは1対1でも測れます。当サイトの診断では、この2つを別々の点数で出しています。
- Q. 診断は何問ですか。無料ですか。
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この記事の出典
- Tskhay, Zhu, Zou & Rule「Charisma in Everyday Life: Conceptualization and Validation of the General Charisma Inventory」Journal of Personality and Social Psychology, 114(1), 131-152 (2018)
- Antonakis, Fenley & Liechti「Learning Charisma」Harvard Business Review, 2012年6月号
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