「自分にはカリスマ性がない」と思う人へ|静かなままでも取れる点が半分ある
出典 Journal of Personality and Social Psychology ほか1件
この記事でわかること
- カリスマ性の2成分のうち、親しみやすさは「明るさ」ではない
- 待てる・名前を覚えている・調子が変わらないは、そのまま点になる
- 影響力のほうも、声の大きさではなく「結論を出したか」で見られている
- 静かな人が損をするのは、力がないからではなく出口が1つしかないから
「カリスマ性がない」と感じるとき、頭に浮かんでいるのはたいてい1種類の人です。大勢の前で通る声で話し、笑いを取り、みんながその人を見ている——という像です。
ですが、カリスマ性を測る尺度を見ると、その像に当てはまらなくても取れる点が半分近くあります。 損をしているのは力がないからではなく、測られ方を知らないからです。
「親しみやすさ」は明るさではない
カリスマ性は、人を動かす影響力と、相手をくつろがせる親しみやすさの2つに分けて測られています。後者を「社交性」だと思うと、静かな人は最初からあきらめてしまいます。
実際に見られているのは、相手の緊張が下がったかどうかです。この観点で並べると、静かな人のほうが強い項目がいくつも出てきます。
| よくある誤解 | 実際に測られていること | 静かな人の側 |
|---|---|---|
| よくしゃべる | 相手が言いよどんだとき、急かさずに待てる | 待てる人が強い |
| 誰とでもすぐ仲良くなる | 名前を覚えていて、次に会ったとき名前で呼ぶ | 口数と関係ない |
| いつも明るい | 機嫌の良し悪しが顔に出ず、いつも同じ調子でいる | むしろ静かな人の側 |
| 話がおもしろい | 自分の失敗を、笑い話として話せる | 内容の問題で、話術ではない |
| 輪の中心にいる | 輪に入れずにいる人に気づいて、声をかける | 見ている人のほうが気づく |
← 表は横にスクロールできます →
影響力のほうも、声の大きさではない
もう1つの成分である影響力についても、誤解があります。測られているのは、結論の形で言ったかどうかであって、大きい声で長く話したかではありません。
- 「じゃあこうしよう」と最後に言った人のところに影響力は付きます。それまで黙っていたかどうかは関係しません
- 「あなたが言うならやる」と言われたことがあるかも、この成分の指標です。回数ではなく、言われたことがあるかどうかです
- 自分が抜けたら進み方が変わると思うかも含まれます。目立つ役でなくても当てはまることがあります
つまり静かな人が影響力で損をするのは、意見を持っていないからではなく、それを結論の形にして出す回数が少ないからであることが多い、という見方ができます。
出口を1つ足すだけで見え方が変わる
カリスマ性の研究では、話し方の技法が言葉の技法9個と体の技法3個に整理されています。静かな人が使っていないのは、たいていこのうちの片側です。
| いま出ている出口 | 足りていない出口 | 足す技法の例 |
|---|---|---|
| 言葉(何を言ったかが残る) | 体 | 山場で声の速さを変える/黙って間をとる |
| 体(その場の空気が残る) | 言葉 | 「3つあります」と数え上げる/「Aではなく、B」と対比で言う |
← 表は横にスクロールできます →
まとめ
- 親しみやすさは明るさではない。 相手の緊張が下がったかどうかで測られています
- 待てる・覚えている・調子が変わらないは、そのまま点になる。 口数とは関係ありません
- 影響力は声の大きさではない。 結論の形で言ったかどうかです
- 静かな人が損をするのは、出口が1つしかないから。 力の量の問題ではないことが多いところです
- 性格を作り替えない。 足すのは技法を1つだけにします
よくある質問
- Q. 内向的な人にカリスマ性はありませんか。
- そう決まってはいません。カリスマ性は影響力と親しみやすさの2つに分けて測られており、親しみやすさのほうは社交性や明るさとは別のものです。相手を待てる、名前を覚えている、調子が変わらないといった性質がそのまま点になります。
- Q. 人前で話すのが苦手でも大丈夫ですか。
- 人前で話すのは影響力が外に出る場面の1つにすぎません。1対1で相談されることが多い人は、別の経路で同じ成分が出ています。当サイトの診断では、力の量とは別に「言葉で出るか、立ち居振る舞いで出るか」も分けて表示しています。
- Q. 「存在感がない」と言われました。何から変えればいいですか。
- 性格ではなく、出口を1つ足すところからです。何を言ったかが残るタイプなら声の速さを変えることや間をとること、その場の空気が残るタイプなら「3つあります」と数え上げることが入りやすい技法です。
- Q. 診断は何問で、結果は残りますか。
- 40問です。4つの軸それぞれ10問ずつ、4段階から選びます。無料・登録不要で、回答や結果をサーバーに保存することはありません。
この記事の出典
- Tskhay, Zhu, Zou & Rule「Charisma in Everyday Life: Conceptualization and Validation of the General Charisma Inventory」Journal of Personality and Social Psychology, 114(1), 131-152 (2018)
- Antonakis, Fenley & Liechti「Learning Charisma」Harvard Business Review, 2012年6月号
制度は改正されます。手続きをする前に、必ず上記の一次資料または所管の窓口で最新の内容をご確認ください。