ボーナスの手取りが月給と同じ割合にならない理由|引かれ方が3か所違う
出典 日本年金機構 ほか3件
この記事でわかること
- 社会保険料には上限がある(厚生年金は1か月150万円、健康保険は年度累計573万円)
- 所得税の率は、賞与ではなく「前月の給与」で決まる
- 住民税は賞与から引かれない(毎月の給与から12分割で引かれている)
- 年4回以上支給されるものは、そもそも賞与として扱われない
「毎月の給料は手取りが8割くらいなのに、ボーナスはもっと引かれている気がする」。あるいはその逆に感じる年もあります。月給と賞与では、引かれ方の仕組みが3か所違います。
違う3か所は、社会保険料の上限、所得税の率の決まり方、住民税の有無です。順に見ます。
1. 社会保険料は「標準賞与額」に掛ける。上限がある
賞与の社会保険料は、実際に支払われた賞与額(税引き前の総支給額)から1,000円未満を切り捨てた額を「標準賞与額」として、これに保険料率を掛けて計算します。
| 保険 | 上限 |
|---|---|
| 厚生年金保険 | 1か月あたり150万円 |
| 健康保険 | 年度の累計額573万円(年度は毎年4月1日から翌年3月31日まで) |
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2. 所得税の率は「前月の給与」で決まる
ここが最も分かりにくい部分です。賞与から引かれる所得税は、賞与の額そのものからは決まりません。
- 前月の給与から社会保険料等を差し引いた金額を確認する
- 「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」の甲欄で、扶養親族等の数に応じた行を見る
- その行と、前月給与の額が交わるところにある「賞与の金額に乗ずべき率」を読む
- (賞与から社会保険料等を差し引いた金額)× その率 が源泉徴収される所得税額
そして重要なのは、これは源泉徴収(仮の天引き)だということです。1年間の所得税は年末調整で精算されます。賞与のときに多く引かれていても、その年の最終的な税額が増えているわけではありません。
3. 住民税は、賞与から引かれない
給与明細に慣れていると見落としますが、賞与の明細には住民税の行がありません。
住民税の特別徴収は、前年の所得に対する年税額を12で割って、毎月の給与から引くという形になっています。賞与はこの12回の中に入っていません。
賞与から引かれるもの・引かれないもの
| 項目 | 賞与 | 毎月の給与 |
|---|---|---|
| 健康保険料 | 引かれる(年度累計573万円が上限) | 引かれる |
| 厚生年金保険料 | 引かれる(1か月150万円が上限) | 引かれる |
| 介護保険料(40〜64歳) | 引かれる | 引かれる |
| 雇用保険料 | 引かれる(上限なし) | 引かれる |
| 所得税 | 引かれる(率は前月の給与で決まる) | 引かれる |
| 住民税 | 引かれない | 引かれる |
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まとめ
- 社会保険料は標準賞与額(1,000円未満切捨て)に掛ける。厚生年金は1か月150万円、健康保険は年度累計573万円が上限
- 所得税の率は、賞与ではなく前月の給与(社会保険料等控除後)で決まる
- 住民税は賞与から引かれない。 毎月の給与から12分割で引かれています
- 年4回以上支給されるものは賞与ではなく、標準報酬月額の対象です
- 賞与の所得税は源泉徴収(仮の天引き)で、年末調整で精算されます
よくある質問
- Q. ボーナスの手取りは額面の何割になりますか。
- 一律の割合はありません。社会保険料には上限があるため賞与の額によって割合が変わり、所得税の率は前月の給与と扶養親族等の数で決まるためです。当サイトでは目安の割合を示さず、年収からの概算計算に案内しています。
- Q. ボーナスの所得税が高い気がします。取られすぎではないですか。
- 賞与から引かれる所得税は源泉徴収であり、その年の所得税額が確定したものではありません。1年間の所得税は年末調整で精算されるため、源泉徴収された額が多ければ差額が還付されます。率が高くなるのは、前月の給与(社会保険料等控除後)が高い場合です。
- Q. ボーナスから住民税が引かれていないのはなぜですか。
- 住民税の特別徴収は、前年の所得に対する年税額を12回に分けて毎月の給与から引く仕組みになっているためです。賞与はこの12回に含まれません。住民税を払っていないわけではなく、毎月の給与のほうで負担しています。
- Q. 健康保険料の上限「年度累計573万円」はいつリセットされますか。
- 年度は毎年4月1日から翌年3月31日までです。4月1日に累計が0に戻ります。なお厚生年金保険の上限は1か月あたり150万円で、累計ではなく1回ごとの判定になります。
- Q. 毎月支給される「賞与」名目の手当も同じ扱いですか。
- 社会保険では年3回以下の支給のものが賞与として扱われ、年4回以上支給されるものは標準報酬月額の対象になります。名前が賞与でも、年4回以上出ているものは毎月の給与と同じ枠で保険料が計算されます。
この記事の出典
制度は改正されます。手続きをする前に、必ず上記の一次資料または所管の窓口で最新の内容をご確認ください。