副業が20万円以下でも住民税の申告は要る|20万円ルールは所得税だけのきまり
出典 国税庁 ほか1件
この記事でわかること
- 20万円で申告が要らなくなるのは所得税だけで、住民税には同じ規定が無い
- 20万円と比べるのは、副業がアルバイトのときだけ経費を引く前の「収入」
- 所得税の確定申告をするなら、20万円以下の副業も申告書に含める
- 医療費控除などで申告する年は、20万円以下でも書き漏らすと申告漏れになる
「副業が20万円以下なら確定申告はいらない」は、半分だけ合っています。いらないのは所得税の確定申告で、住民税の申告は金額に関係なく必要です。
20万円のきまりは、どこに書いてあるか
国税庁は、給与をもらっている人で確定申告が必要な人を次のように示しています(No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人)。
- 給与の年間収入金額が2,000万円を超える人
- 給与を1か所から受けていて、その給与の全部が源泉徴収の対象である場合に、給与所得・退職所得以外の所得金額の合計額が20万円を超える人
- 給与を2か所以上から受けていて、年末調整されなかった給与の収入金額と、給与所得・退職所得以外の所得金額との合計額が20万円を超える人
いわゆる「20万円ルール」は、このうち2つ目と3つ目のことです。所得税法121条の規定で、確定申告をしなくてよい人を決めているものです。
20万円以下だった年に、やること
- 副業の1年分(1月1日〜12月31日)の金額を集計する。 振込額の合計と、経費の合計を分けて出します
- 住んでいる市区町村の窓口に、住民税の申告書を出す。 期限は所得税の確定申告と同じ3月15日ごろで、様式は自治体のサイトにあります
- 支払調書や、経費の領収書は手元に残す。 提出は求められないことが多いのですが、内容を聞かれたときに答えられる状態にしておきます
20万円と比べるのは「所得」か「収入」か
ここが取り違えられやすいところです。副業がアルバイト・パート(給与)のときだけ、経費を引く前の「収入金額」で判定します。 給与には経費という考え方がないためです。
| 副業の種類 | 所得の区分 | 経費 | 20万円と比べる額 |
|---|---|---|---|
| 業務委託・クラウドソーシング | 雑所得(業務)または事業所得 | 引ける | 所得金額 |
| アルバイト・パート | 給与所得 | 引けない | 収入金額 |
| メルカリ・せどりなどの物販 | 雑所得または事業所得 | 引ける | 所得金額 |
| 不動産の賃貸 | 不動産所得 | 引ける | 所得金額 |
| 株・投資信託・暗号資産 | 譲渡所得・雑所得 | 引ける | 所得金額 |
← 表は横にスクロールできます →
たとえばクラウドソーシングで28万円を受け取り、経費が9万円だった場合の所得は19万円なので、所得税の確定申告義務はありません。一方、アルバイトで28万円を受け取った場合は、経費が何円でも28万円で判定するため、20万円を超えます。
20万円以下でも、確定申告をしたほうがよい年
- 報酬から源泉徴収されている。 業務委託の報酬は10.21%が引かれていることがあり、申告すると納めすぎた分が戻ります
- 医療費控除や寄附金控除を受ける。 ふるさと納税でワンストップ特例を出していない年も含みます
- 住宅ローン控除の1年目。 初年度だけは確定申告が必要です
- 年の途中で退職して年末調整を受けていない。 納めすぎになっていることが多くあります
まとめ
- 20万円で免除されるのは所得税の確定申告だけ。 住民税の申告は金額にかかわらず必要です
- 確定申告をすれば、住民税の申告は別に要りません。 税務署から市区町村へ内容が回ります
- 20万円と比べる額は、アルバイトのときだけ経費を引く前の収入金額です
- 他の理由で確定申告をする年は、20万円以下の副業も申告書に含めます
よくある質問
- Q. 副業が20万円以下なら、本当に何もしなくていいのですか。
- 所得税の確定申告は不要ですが、住民税の申告は必要です。20万円のきまりは所得税法121条の規定で、住民税の側には同じ規定がありません。市区町村の窓口に住民税の申告書を出してください。
- Q. 住民税の申告をしないと、どうなりますか。
- 申告漏れになります。副業の支払先から市区町村へ支払調書が出ている場合は、あとから照会が来て、本来の税額に延滞金が加わることがあります。
- Q. 経費を引くと20万円以下になります。これで申告不要ですか。
- 副業が業務委託・物販・不動産・投資であれば、経費を引いたあとの所得金額で判定するので不要です。ただしアルバイト・パートの給与だけは、経費を引く前の収入金額で判定します。
- Q. 医療費控除の申告をする年は、副業の19万円も書くのですか。
- 書きます。20万円のきまりは「確定申告をしなくてよい」という規定であって、申告書から除いてよいという意味ではありません。申告する年は全部の所得を含めます。
この記事の出典
制度は改正されます。手続きをする前に、必ず上記の一次資料または所管の窓口で最新の内容をご確認ください。