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がんで亡くなるのは男性の25.41%、でもがんが消えて延びる平均余命は3.07年|死因の確率と延びが釣り合わない理由

出典 厚生労働省 ほか1件

この記事でわかること

  • がんで亡くなる確率は男性25.41%・女性18.95%(令和7年簡易生命表 表6)
  • がんが無くなったときに延びる平均余命は男性3.07年・女性2.66年(表7)
  • 確率が4分の1でも延びが3年で済むのは、別の死因で亡くなるようになるから
  • 女性の最多死因は老衰の21.74%で、がんより多い

「日本人の2人に1人ががんになる」「3人に1人ががんで亡くなる」という言い方をよく聞きます。では、がんという病気がこの世から無くなったら、日本人の寿命は何年延びるのでしょうか。

この問いには公表された答えがあります。厚生労働省が毎年出す「簡易生命表の概況」には死因分析という章があり、死因別の死亡確率(表6)と、特定の死因を除去した場合の平均余命の延び(表7)が並んで載っています。

答えは3.07年(男性)です。4人に1人ががんで亡くなるのに、がんが消えても延びるのは3年ほど。この記事は、そのずれがどこから来るのかという話です。

1. 死因別の死亡確率(表6)

「死因別死亡確率」は、いま生まれた人が将来その死因で亡くなる確率です。実際に亡くなった人の内訳(人口動態統計)ではなく、生命表の上で計算された値です。

死因男性女性
がん(悪性新生物)25.41%18.95%
心疾患(高血圧性を除く)13.60%14.42%
脳血管疾患6.03%6.33%
肺炎6.26%4.58%
老衰9.02%21.74%
その他39.69%33.98%

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厚生労働省「令和7(2025)年簡易生命表の概況」表6より、0歳の行。日本人全体(生まれた人)についての計算です。

2. その死因が無くなったときの延び(表7)

同じ資料の表7は、その死因で亡くなる人がいなくなったら平均余命が何年延びるかを出しています。表6と並べます。

死因男性の確率男性の延び女性の確率女性の延び
がん25.41%3.07年18.95%2.66年
心疾患13.60%1.36年14.42%1.08年
脳血管疾患6.03%0.64年6.33%0.55年
肺炎6.26%0.45年4.58%0.30年
老衰9.02%0.47年21.74%1.25年

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表6・表7の0歳の行。「その他」には除去した場合の延びが公表されていないため、この表には載せていません。

確率の順番と、延びの順番は一致しません。 女性の老衰は確率21.74%でがんより高いのに、延びは1.25年でがんの2.66年の半分以下です。

3. なぜ釣り合わないのか

理由は1つです。その死因が無くなっても、人は別の死因で亡くなるようになるからです。

逆に言えば、延びが大きい死因ほど「本来はもっと先まで生きられた年齢で人を失っている」ことになります。がんの延びが最大なのは、他の死因より若い年齢で起きる分が含まれているためです。

4. 3つ同時に除くと、足し算より大きくなる

表7には、がん・心疾患・脳血管疾患を同時に除去した場合の値も載っています。ここで直感と逆のことが起きます。

男性女性
がん単独の延び3.07年2.66年
心疾患単独の延び1.36年1.08年
脳血管疾患単独の延び0.64年0.55年
単独の値を足した数5.07年4.29年
3つを同時に除いた公表値5.84年4.77年

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3つのどれかで亡くなる確率は男性45.03%・女性39.70%(表6の再掲欄)。同時除去の延びは表7の公表値で、単独の値を足して作ったものではありません。

5. 年齢が上がると、順位が入れ替わる

ここまでは0歳の行、つまり日本人全体についての計算でした。この表は0歳・65歳・75歳・90歳の4つの年齢についてだけ公表されています。 90歳の行を見ると、景色が変わります。

死因男性の確率男性の延び女性の確率女性の延び
がん14.30%0.53年9.03%0.38年
心疾患15.08%0.53年16.09%0.64年
脳血管疾患5.01%0.17年5.90%0.22年
肺炎8.67%0.29年5.24%0.19年
老衰20.69%0.77年33.53%1.56年

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同じ表6・表7の90歳の行。「90歳の人についての計算」で、0歳の行とは別の値です。

90歳では、男女とも老衰が最も多い死因になります。 男性ではがんが25.41%(0歳の行)から14.30%へ下がり、心疾患に抜かれます。女性では老衰が33.53%に達し、3人に1人です。

まとめ

  1. がんで亡くなる確率は男性25.41%・女性18.95%(0歳の行)
  2. がんが無くなって延びる平均余命は男性3.07年・女性2.66年。 確率ほど大きくありません
  3. 釣り合わないのは、別の死因で亡くなるようになるからです
  4. 3つを同時に除くと5.84年で、単独の合計5.07年より大きくなります
  5. 90歳の行では老衰が最多。 女性は33.53%で3人に1人です

よくある質問

Q. 死因別死亡確率は、実際に亡くなった人の内訳とは違うのですか。
違います。実際に亡くなった人の内訳は人口動態統計の数字で、その年に亡くなった人の年齢構成をそのまま反映します。死因別死亡確率は生命表の上での計算で、いまの死亡状況が続いた場合に、生まれた人が将来どの死因で亡くなるかの確率です。目的が違うため、割合も一致しません。
Q. 「日本人の2人に1人ががんになる」という話とはどう違いますか。
それは罹患(病気になること)の話で、国立がん研究センターが公表している生涯累積罹患リスクです。この記事で扱っているのは死亡、つまりその死因で亡くなる確率です。がんになっても、がん以外の死因で亡くなる人がいるため、罹患の割合のほうが高くなります。
Q. 50歳の場合の値はどこを見ればよいですか。
公表されているのは0歳・65歳・75歳・90歳の4つだけで、50歳の値はありません。当サイトでは65歳未満の方には0歳の行(日本人全体についての計算)を表示し、それがどの行かを画面に明記しています。中間の値を推定して表示することはしていません。
Q. 「その他」の死因が無くなったときの延びが載っていないのはなぜですか。
「その他」は特定の病気ではなく、表に挙がっていない死因をまとめた区分だからです。除去した場合の平均余命の延びは、除去する対象が具体的に定まっている死因についてのみ公表されています。当サイトの表でも、その他の延びの欄は空にしています。
Q. 老衰の延びが小さいのは、老衰が軽い死因という意味ですか。
違います。延びの大きさは、その死因で亡くなる年齢の高さを反映します。老衰で亡くなる年齢は他の死因より高く、そこまで到達した人には別の死因が控えているため、老衰を除いても平均余命は大きくは延びません。死因の重さや深刻さを表す指標ではありません。

この記事の出典

制度は改正されます。手続きをする前に、必ず上記の一次資料または所管の窓口で最新の内容をご確認ください。

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