🌱 こころ

しんどいことを書き出すと楽になるのか|研究で確かめられている範囲と、その大きさ

この記事でわかること

  • 書くことの効果は、40年ほど実験で調べられてきたテーマである
  • 146件の研究をまとめた分析では、効果は認められるが平均すると小さい
  • 誰にでも同じように効くわけではなく、条件によって差が出ると報告されている
  • 書いていて苦しくなったら、やめていい。相談できる窓口がある

頭から離れないことがあるとき、「書き出すと楽になる」とよく言われます。これは思いつきではなく、40年ほど実験で調べられてきたテーマです。 ただ、調べられている範囲と、期待される効きめの大きさは、言われ方よりも控えめです。

何ができて、何ができないのかを先に見ておくほうが、がっかりせずに使えます。

40年ぶん調べられて、結論は「あるが小さい」

この流れの起点は、1986年に発表された研究です。つらかった出来事について書くことと、その後の体調との関係を調べたもので、以降たくさんの追試が行われました。

2006年には、無作為に割り当てて比べた146件の研究をまとめた分析が発表されています。結論は次のとおりです。

  • 効果は認められる(統計的に有意である)
  • ただし平均すると小さい。 論文が報告している平均の効果量は r = .075 です
  • 効きめの差を生む条件(モデレーター)がいくつも見つかっている

同じ分析は、それ以前に行われた2つの小さいまとめの分析にも触れています。どちらも効果は正の方向で有意だったものの、扱い方の前提が違っており、当てはめられる範囲が限られていたと整理されています。研究の数が増えたことで、より控えめな数字に落ち着いた形です。

期待していいこと、していけないこと

分かっていること
できる見込みがあること気持ちや体調が、平均するとわずかに良い方向へ動くことが報告されている
書いていない人との差はっきりした差ではない。効かない人も結果に含まれている
治療の代わりになるかならない。医療や相談の代わりとして勧められるものではない

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条件によって効きめが変わることは、分析でも指摘されています。同じやり方をしても同じ結果になるとは限りません。

書くときに決めておくと楽な3つ

  1. 誰にも見せない前提で始める。 見せる前提だと、読む人に向けた説明になります。説明は整いますが、書きたかったことから離れます
  2. うまく書こうとしない。 順番も文法も直さないでいいので、起きたことと、そのとき思ったことを混ぜて置きます
  3. 終わりを先に決める。 時間でも枚数でもかまいません。決めていないと、いつまでも同じ場面を書き直すことになります

長く書けないときは、1行だけにする

長く書くのがしんどい日もあります。そういうときは、その出来事から自分が引き出した結論だけを1行にするやり方があります。出来事を全部書き出す代わりに、次に同じ場面が来たらどうするかの1行にします。

  • 「上司に言われて黙ってしまった」→ 「その場で答えなくていい」
  • 「安いほうを選んで壊れた」→ 「毎日使うものは値段で選ばない」

1行にすると、出来事が自分の外に出ます。 これは他人が読んでも意味の分かる形なので、置いておけば同じ場面に来た人の役にも立ちます。

まとめ

  1. 書くことの効果は40年ぶん調べられている。 思いつきの話ではありません
  2. 146件をまとめた分析では、効果は認められるが平均は小さい(r = .075)
  3. 誰にでも同じには効かない。 効かなかった人も結果に含まれています
  4. 苦しくなったらやめていい。 続く落ち込みは、書くことではなく相談の話です

よくある質問

Q. つらいことを書き出すと本当に楽になりますか。
146件の無作為化研究をまとめた分析では、効果は統計的に認められる一方、平均すると小さいと報告されています(平均の効果量 r = .075)。全員が楽になるという結果ではなく、効かなかった人も含めた平均としてわずかに良い方向へ動く、という意味です。
Q. どのくらいの時間、どのくらい書けばいいのですか。
研究によって手続きが違うため、当サイトとして具体的な時間や回数を勧めることはしません。決めておくと楽なのは、誰にも見せない前提で始めること、うまく書こうとしないこと、終わりを先に決めておくことの3つです。
Q. 書いていて気持ちが悪くなったらどうすればいいですか。
やめてかまいません。続けることを目標にしないでください。落ち込みや不眠が続くときは、書くことより相談が先です。厚生労働省の「まもろうよ こころ」に電話とSNSの窓口が、「こころの耳」に働く人向けの窓口がまとまっています。
Q. 長い文章を書けないときはどうすればいいですか。
出来事全部ではなく、そこから引き出した結論を1行にする方法があります。「次に同じ場面が来たらどうするか」を1文にすると、他人が読んでも意味の分かる形になります。
Q. 人生の金言はどういうサイトですか。
痛い目を見て覚えたことを20字で書き込み、読めるサイトです。名前を入れる欄はなく、詳しい話も書きたい人だけが500字まで書けます。読むだけなら入力はいりません。無料・登録不要です。

この記事の出典

制度は改正されます。手続きをする前に、必ず上記の一次資料または所管の窓口で最新の内容をご確認ください。

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