読めるのに書けない漢字が増えるのは、思い出し方を使っていないから
この記事でわかること
- 読む力と書く力は別。読書量では書く力が戻らない
- 思い出す作業を挟まないと、見ただけでは定着しない
- 熟語で覚えると、1字あたりの手がかりが増える
- 毎日1問のほうが、まとめて解くより続く
「読めるのに書けない」が増えるのは、年齢のせいだと思われがちですが、使っている力が違うからです。
| やっていること | 手がかり | |
|---|---|---|
| 読む | 目の前にある形を、知っている字と照合する | 字そのものが目の前にある |
| 書く | 何もないところから形を取り出す | 音と意味だけ |
← 表は横にスクロールできます →
選ぶ作業だけを何年も続けていると、取り出す側が使われません。 読書量が多い人でも書けなくなるのは、そのためです。逆に言えば、取り出す作業を少しでも挟めば戻ります。
「見て覚える」が効きにくい理由
漢字を覚え直そうとすると、まず一覧を眺めることから始めがちです。ところが眺めている間は、ずっと「読む」側の作業をしています。
- 先に思い出そうとする。 答えを見る前に、10秒でも取り出そうとする時間を作ります
- 出てこなかったことを確認してから答えを見る。 この順番だと、答えを見た瞬間の情報が「取り出せなかった穴」に結びつきます
- 同じ字を、少し間を空けてもう一度取り出す。 連続で2回やっても、2回目は直前の記憶を使っているだけです
1字ずつではなく、熟語で持つ
漢字を1字ずつ覚えようとすると、手がかりが音と意味しかありません。熟語の形で持つと、手がかりが一気に増えます。
- 前に来るか後ろに来るかが決まる — 「気」は「気分」では前、「元気」では後ろ。位置の情報が付きます
- 組み合わせの相手が思い出のきっかけになる — 1字が出てこなくても、相棒の字から引き出せます
- 意味の範囲が絞られる — 単独では広い意味の字でも、熟語になると使い方が固定されます
同じ1字を複数の熟語で見ると、この効果が重なります。「天」なら天気・天分・天国のように、位置と相手を変えながら同じ字に何度も当たる形です。
まん中の一字を当てる形が、取り出す練習になる
中央に漢字1字を入れて、まわりの熟語を全部成立させるという形式のパズルがあります。この形が取り出す練習として効くのは、次の理由からです。
- 答えが目の前にない。 選択肢から選ぶのではなく、条件を満たす字を自分で出します
- 条件が複数ある。 1方向だけ合う字はいくつもありますが、6方向すべてを満たす字は限られます
- 確かめながら進める。 候補を1つ当てはめて、合わない方向が出たら別の字に移る。この往復自体が取り出す作業です
続けるほうが、量より効く
漢字は覚える対象が多いので、一度にまとめてやると、次にやるまでの間隔が空きます。 間隔が空くと、次に開いたとき前回の内容が残っていません。
1日1問でも、間隔が短いほうが取り出す回数は増えます。 毎日決まった時間に1問出る形が向いているのは、量ではなく回数を稼げるからです。
まとめ
- 読む力と書く力は別。 変換に頼る環境では、取り出す作業が発生しません
- 答えを見る前に、出てこないことを確認する。 その直後がいちばん入ります
- 1字ではなく熟語で持つ。 位置と相手という手がかりが増えます
- 量より回数。 1日1問でも、間隔が短いほうが取り出す回数は増えます
よくある質問
- Q. 読めるのに書けないのはなぜですか。
- 読むのは目の前の形を照合する作業、書くのは何もないところから形を取り出す作業で、使っている力が違うためです。変換で候補が並ぶ入力環境では取り出す作業が発生しないので、読む量が多くても書く側は使われません。
- Q. 大人が漢字を覚え直すには、何から始めればいいですか。
- 一覧を眺めるより、思い出そうとする時間を先に作るほうが残ります。答えを見る前に出てこないことを確認し、その直後に答えを見る順番にしてください。1字ずつより、熟語の形で持つほうが手がかりが増えます。
- Q. 毎日やらないと意味がありませんか。
- まとめて解くより、間隔を短く回数を重ねるほうが取り出す回数は増えます。1日1問でも構いません。量を増やすことより、次に開くまでの間隔を空けないことのほうが効きます。
- Q. パズルで、示された以外の答えも成り立ちませんか。
- 成り立つことがあります。収録している熟語の範囲では答えが1つに決まるよう作っていますが、収録外の熟語で成立する答えは現実にありえます。当サイトは収録語の中で成り立つ解をすべて正解として受け付けています。
- Q. 難易度は漢字検定の級に対応していますか。
- 対応していません。当サイトの難易度は主観的な目安で、漢字検定の級や学年別配当漢字とは無関係です。級の対策には実施団体が示す出題範囲をご利用ください。
この記事の出典
制度は改正されます。手続きをする前に、必ず上記の一次資料または 所管の窓口で最新の内容をご確認ください。