カリスマ的な話し方は12個の技法に分かれている|言葉が9つ、体が3つ
出典 Harvard Business Review ほか1件
この記事でわかること
- カリスマ的な話し方は12個の技法として整理されている(言葉9・体3)
- 訓練の前後で聞き手からの評価が変わったという実験が報告されている
- 12個を一度に使おうとすると失敗する。1回に1つだけ足す
- 自分に足りないのは言葉側か体側か、先に分けてから選ぶ
「あの人の話は引き込まれる」を再現しようとすると、たいてい声を大きくする・ゆっくり話すあたりで止まります。これは12個あるうちの1つに手を付けただけです。
カリスマ的な話し方は、カリスマ的リーダーシップ戦術(CLTs)として12個に整理されています。 数えられる形になっているので、順番に足していくことができます。
12個の内訳は「言葉9・体3」
まず全体像です。12個は、何を言うかの技法9個と、どう出すかの技法3個に分かれています。
| 区分 | 技法 | 何をするか |
|---|---|---|
| 言葉 | たとえる | 相手がすでに知っているものに置き換えて言う |
| 言葉 | 自分の話をする | 一般論ではなく、自分が見た・失敗した場面を語る |
| 言葉 | 対比で言う | 「Aではなく、B」の形にして立場をはっきりさせる |
| 言葉 | 問いかける | 答えを言う前に、相手に考えさせる問いを置く |
| 言葉 | 3つに数える | 「3つあります」と数え上げてから話す |
| 言葉 | みんなの気持ちを先に言う | その場にいる人が思っていることを、先に言葉にする |
| 言葉 | 何を大事にしているか言う | 損得ではなく、自分が譲れないものを口に出す |
| 言葉 | 高い目標を口に出す | 届くか分からない目標をはっきり言う |
| 言葉 | できると言い切る | その目標に届く根拠を添えて言い切る |
| 体 | 声を動かす | 山場で声の大きさや速さを変える |
| 体 | 表情を出す | 話の中身と表情を一致させる |
| 体 | 手を使う | 手の動きで、話の構造を目に見せる |
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使う前と後で、どれくらい変わるのか
抽象的なままだと使えないので、同じ内容を技法ありとなしで並べます。
| 技法 | ふつうの言い方 | 技法を当てた言い方 |
|---|---|---|
| たとえる | 在庫の回転率を改善する必要があります | うちの倉庫は、冷蔵庫の奥で忘れられている作りおきみたいな状態です |
| 自分の話をする | 報告は早いほうがいいですね | 私は3日黙っていた不具合を金曜の夜に報告して、全員の週末を潰しました |
| 対比で言う | 品質も大事にしていきたいと思います | 速さを競うのはやめます。直しの回数で勝ちにいきます |
| 3つに数える | いろいろ課題はありますが、まず着手します | 手を付ける順番は3つです。1つめは、 |
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12個は一度に使わない。順番を決める
全部を意識しながら話すと、内容が抜けます。 現実的な進め方は、自分に足りていない側から1つずつ足すことです。
- 自分が言葉側で出る人か、体側で出る人かを先に決める。 「何を言ったか」が残ると言われる人は言葉側、「その場の空気」が残ると言われる人は体側です
- 足りていないほうから1つ選ぶ。 言葉側の人がまず足すなら「声を動かす」、体側の人がまず足すなら「3つに数える」が入りやすい技法です
- 1週間、その1つだけを使う。 意識するのを1つに絞らないと、話の中身が薄くなります
- 次の1つに移る前に、前の1つが自動で出るか確かめる。 出ないうちに足すと、どちらも中途半端になります
訓練で変わるのか
ここは慎重に書きます。カリスマ的リーダーシップ戦術を教えた前後で、聞き手からのカリスマ評価が変わったという実験結果が報告されています。
まとめ
- カリスマ的な話し方は12個に整理されている。 雰囲気ではなく、数えられる技法です
- 内訳は言葉9・体3。 声と身振りは3個しかなく、大半は話す前に決まる部分です
- 12個を一度に使わない。 1回に1つ、自動で出るまで
- まず自分が言葉側か体側かを決める。 足りていないほうから選ぶと、伸びが早くなります
- 効果の数字は鵜呑みにしない。 訓練で変わったことは報告されていますが、どれだけ変わるかは条件によります
よくある質問
- Q. カリスマ性は訓練で身につきますか。
- 少なくとも一部は変えられることが報告されています。カリスマ的リーダーシップ戦術を教えた前後で、聞き手からの評価が変わったという実験結果があります。ただし効果の大きさは訓練の条件や測り方によって変わるため、どれだけ上がるかを一般化して言うことはできません。
- Q. 12個のうち、どれから始めればいいですか。
- 自分が「何を言ったか」で覚えられる人か、「その場の空気」で覚えられる人かで分かれます。前者は体側の技法(声・表情・手)、後者は言葉側の技法(3つに数える・対比で言う)から足すと、足りていない側が埋まります。
- Q. 人前で話す機会がない人には関係ありませんか。
- 関係あります。12個のうち大半は1対1でも使えるものです。たとえる・自分の話をする・問いかけるあたりは、面接や打ち合わせのほうがむしろ効きます。
- Q. この12個の分類はどこから来ていますか。
- Antonakis, Fenley & Liechti「Learning Charisma」(Harvard Business Review, 2012年6月号)および「Can Charisma Be Taught? Tests of Two Interventions」(2011年)で整理されたカリスマ的リーダーシップ戦術(CLTs)です。当サイトは分類と名称の言いかえを使っており、例文はすべて独自に作成しています。
この記事の出典
- Antonakis, Fenley & Liechti「Learning Charisma」Harvard Business Review, 2012年6月号
- Tskhay, Zhu, Zou & Rule「Charisma in Everyday Life: Conceptualization and Validation of the General Charisma Inventory」Journal of Personality and Social Psychology, 114(1), 131-152 (2018)
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