急性期・回復期・慢性期って何のことですか|看護師の求人票を読む前に、病院の分け方から
出典 厚生労働省 ほか2件
この記事でわかること
- 国が使っている分け方は、高度急性期・急性期・回復期・慢性期の4つ
- 病棟の呼び名(回復期リハ・地域包括ケア・療養)は、それとは別の軸
- 「7対1」は24時間を通した平均の人数で、日勤の受け持ち人数ではない
- 同じ「病院」でも、区分が違えば1日の中身がまったく変わる
看護師の求人票には、説明なしで専門の言葉が並びます。 「急性期」「回復期」「療養」「地域包括ケア病棟」「7対1」。ここが分からないと、求人票を何枚見ても違いが分かりません。
この記事は、その言葉を日本語に直すだけのものです。どこがいい・悪いという話はしません。給与の話もしません。
1. 国が使っている分け方は4つです
病院は、病棟ごとに「どんな役割の病棟か」を国に報告するしくみ(病床機能報告)を持っています。そこで使われる区分が4つあります。
| 区分の名前 | かんたんに言うと |
|---|---|
| 高度急性期 | 命に関わる状態の人に、とくに密度の高い医療を行う。救命救急、集中治療室(ICU)、新生児集中治療室(NICU)など |
| 急性期 | 病気やけがの直後の人に、状態を早く安定させるための医療を行う |
| 回復期 | 急性期を過ぎた人が、家に帰るための医療とリハビリを受ける |
| 慢性期 | 長い期間、療養が必要な人が入院する。重い障害のある人の入院も含む |
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2. 病棟の呼び名は、これとは別の軸です
求人票には、上の4区分ではなく病棟の呼び名が書かれていることが多くあります。呼び名は、診療報酬(医療の値段の決まり)の上での分類です。
| 求人票に書いてある名前 | かんたんに言うと |
|---|---|
| 回復期リハビリテーション病棟 | 脳卒中や骨折などのあと、集中的にリハビリをして家に帰るための病棟 |
| 地域包括ケア病棟 | 急性期の治療が終わった人の受け皿と、在宅で困った人の一時的な受け入れの両方を担う病棟 |
| 療養病棟 | 長い期間の療養が必要な人が入院する病棟 |
| 一般病棟 | 上のような特定の名前がついていない病棟。急性期が中心のことが多い |
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3. 「7対1」は、自分が7人みるという意味ではありません
求人票に出てくる「7対1」「10対1」「13対1」は、入院している人の数に対する看護職員の数を表しています。7対1なら「入院患者7人に対して看護職員1人」です。
ここで大事なのは、これが24時間を通した平均の数だということです。日勤・準夜・深夜の全部を合わせて計算します。 だから、日勤帯にひとりが受け持つ人数は、7人より多くなるのがふつうです。
4. 見学のときに聞くと、区分より確かなこと
- 日勤でひとりが受け持つ人数(配置の数字より実態が分かります)
- 平均在院日数(入れ替わりの速さが分かります)
- 夜勤の人数と、夜勤中に受け持つ人数
- 緊急入院を受けるかどうか(受けるなら、予定通りに進まない日が増えます)
- 新人が入ったとき、どのくらいの期間で夜勤に入るか
どれも求人票には書いていない項目です。書いていないから隠しているのではなく、書く欄がないというだけのことが多いので、聞けば普通に答えてもらえます。
きょう、やること
- 気になっている求人票を1枚開いて、病棟の名前に線を引く(回復期リハ・地域包括ケア・療養・一般のどれか)
- 配置の数字(7対1など)を探して、24時間の平均だと思い出す
- 見学に行くなら「日勤ひとりで何人受け持ちますか」をメモに書いておく
よくある質問
- Q. 急性期と回復期は何が違いますか。
- 病床機能報告の定義では、急性期機能は病気やけがの直後の患者に対して状態の早期安定化に向けた医療を提供する機能、回復期機能は急性期を経過した患者への在宅復帰に向けた医療やリハビリテーションを提供する機能とされています。入院している期間の長さと、関わり方が変わります。
- Q. 地域包括ケア病棟は急性期ですか、回復期ですか。
- どちらにもなり得ます。病床機能報告では、その病棟が主に回復期機能を提供している場合は回復期を、主に急性期機能を提供している場合は急性期を選ぶこととされています。病棟の役割や入院患者の状態によって病院が選びます。
- Q. 「7対1」は看護師1人が7人を担当するという意味ですか。
- 違います。入院している患者の数に対する看護職員の数を、24時間を通した平均で表したものです。日勤・準夜・深夜のすべてを含めて計算するため、日勤帯にひとりが受け持つ人数は7人より多くなるのが通常です。
- Q. 配置の数字が小さい病院のほうが働きやすいですか。
- 一概には言えません。配置が厚い病棟は、それだけ状態の重い患者が多い病棟でもあります。平均在院日数、緊急入院の有無、受け持ちの方式によって忙しさは変わるため、見学時に日勤ひとりあたりの受け持ち人数を確認するのが確実です。
- Q. 1つの病院が「急性期」とだけ言えないのはなぜですか。
- 病床機能報告は病棟ごとに行うためです。1つの病院の中に急性期の病棟と回復期の病棟が併存することは珍しくありません。応募先を見るときは、病院全体ではなく配属される病棟の区分を確認してください。
この記事の出典
制度は改正されます。手続きをする前に、必ず上記の一次資料または所管の窓口で最新の内容をご確認ください。