国民年金が払えないときは、放っておかず「免除」を申請する|未納と免除はまったく別のもの
出典 日本年金機構 ほか3件
この記事でわかること
- 払えないまま何もしないと「未納」、申請して認められると「免除」になる
- この2つは、将来の年金額だけでなく障害年金・遺族年金の資格にも差が出る
- 申請先は市区町村の国民年金の窓口か年金事務所。過去2年1か月前までさかのぼれる
- 失業した人には、前年の所得を見ない特例がある
国民年金の納付書が届いても払えない。封を開けずに置いてある。そういう状態のときに、いちばんやってはいけないのは「何もしないこと」です。
払えないこと自体は、制度のほうが想定しています。申請すれば「払わなくてよい」と認めてもらえるしくみがあります。この記事では、その申請の話だけをします。
1. 「未納」と「免除」は、まったく別のあつかいです
どちらも、お金を払っていないことに変わりはありません。ちがうのは記録の残り方です。
| 状態 | 年金を受け取る資格の期間に入るか | 将来の年金額に反映されるか | 障害年金・遺族年金の資格に入るか |
|---|---|---|---|
| 納付(払った) | 入る | 入る | 入る |
| 全額免除(申請して認められた) | 入る | 一部入る | 入る |
| 納付猶予(申請して認められた) | 入る | 入らない | 入る |
| 未納(何もしていない) | 入らない | 入らない | 入らない |
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2. 制度の名前は、立場によって分かれています
| 紙に書いてある名前 | かんたんに言うと | だれ向けか |
|---|---|---|
| 保険料免除制度 | 所得が少ないときに、保険料の全部または一部を払わなくてよくなる | 本人・配偶者・世帯主の前年所得が基準以下の人 |
| 納付猶予制度 | 払うのを先送りにする(あとから払える) | 20歳以上50歳未満で、本人・配偶者の前年所得が基準以下の人 |
| 学生納付特例制度 | 学生のあいだ、払うのを先送りにする | 学生(本人の所得だけで判断されます) |
| 産前産後期間の免除 | 出産の前後の分が免除される | 出産予定日・出産日のある人 |
| 法定免除 | 届出をすれば免除になる | 生活保護の生活扶助を受けている人、障害年金を受けている人 |
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3. 申請するところと、持っていくもの
- 申請先 — 住んでいる市(区)役所・町村役場の国民年金の担当窓口、または年金事務所。郵送でも、電子申請でも出せます
- 申請書 — 窓口に置いてあります。日本年金機構のサイトからも印刷できます
- 基礎年金番号がわかるもの — 年金手帳、基礎年金番号通知書、納付書など
- 失業したことが理由の人 — 雇用保険の離職票か受給資格者証のコピー
4. 失業した人には、前年の所得を見ない特例があります
免除の判定は、ふつう前年の所得で行われます。ところが失業した人は、前年に働いていた分の所得があるので、そのままだと基準を超えてしまいます。
そのため、失業・倒産・事業の廃止などが確認できたときは、その人の前年所得を除いて判定する特例があります。離職票か雇用保険受給資格者証のコピーを添えて申請します。「収入が無いのに、去年の所得で断られるはず」と思い込んで申請しないのが、いちばんもったいないケースです。
5. 申請するときに、間違えやすいところ
- 免除の判定には、世帯主と配偶者の所得も見られます(納付猶予は本人と配偶者だけ)。自分の収入がゼロでも、同居している親の所得によっては通らないことがあります。それでも猶予のほうで通ることがあるので、窓口で両方を相談してください
- 学生は、免除ではなく「学生納付特例」のほうです。 免除の申請書とは別の制度です
- 認められた期間は自動では続きません。 全額免除などは継続の申請ができる場合がありますが、猶予や学生納付特例は年度ごとに出し直すのが原則です
- 追納は10年以内。 3年度目以降に追納すると、当時の保険料に加算がつきます
きょう、やること
- 手元の納付書か年金の書類から、基礎年金番号を探す(申請にこれが要ります)
- 住んでいる市区町村の「国民年金」の窓口の場所を調べる(役所の代表番号に「国民年金の免除の相談」と言えばつながります)
- 仕事を辞めた人は、離職票か雇用保険受給資格者証を探しておく(これがあると前年の所得を見ない特例が使えます)
よくある質問
- Q. 払えないまま放っておくと、どうなりますか。
- 「未納」として扱われます。未納の期間は、老齢基礎年金の受給資格期間にも年金額にも算入されず、障害基礎年金・遺族基礎年金の受給資格期間にも入りません。申請して免除・猶予が認められた期間とは扱いがまったく違います。
- Q. 免除が認められると、将来の年金はどうなりますか。
- 全額免除の期間は、保険料を全額納付した場合の年金額の2分の1が反映されます。一部免除も割合に応じて反映されます。納付猶予と学生納付特例は受給資格期間には入りますが、年金額には反映されません。いずれも10年以内なら追納できます。
- Q. 何か月も払っていません。今から申請しても間に合いますか。
- 免除・納付猶予は、保険料の納付期限から2年を経過していない期間、つまり申請時点から2年1か月前までさかのぼって申請できます。過去の分も対象になるので、窓口で相談してください。
- Q. 仕事を辞めたばかりで、去年は収入がありました。対象外ですか。
- 失業等による特例免除があります。失業・倒産・事業の廃止などが確認できる場合、失業した本人の前年所得を除いて判定されます。雇用保険の離職票か受給資格者証のコピーを添えて申請します。
- Q. 学生ですが、親の収入が多いと使えませんか。
- 学生納付特例は、本人の所得で判断されます。世帯の所得は見られません。ただし在学期間を証明する書類が必要で、原則として年度ごとに申請します。
この記事の出典
- 日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
- 日本年金機構 国民年金保険料の学生納付特例制度
- 日本年金機構 国民年金保険料の産前産後期間の免除制度
- e-Gov法令検索 国民年金法(昭和34年法律第141号)
制度は改正されます。手続きをする前に、必ず上記の一次資料または所管の窓口で最新の内容をご確認ください。