二交代と三交代は何がちがうのか|同じ「夜勤1回」でも、深夜にかかる時間がちがいます
出典 e-Gov法令検索 ほか3件
この記事でわかること
- 二交代は1日を2つ、三交代は3つに分ける。法律で決まっているものではない
- 法律が割増を求めているのは22時〜5時の7時間だけ
- 同じ「夜勤1回」でも、その7時間にかかる長さが働き方でちがう
- 求人票では「1回あたりの手当額」と「月の回数」を必ず一緒に見る
求人票に「二交代制」「三交代制」と書いてあるけれど、何がどうちがうのかがわからない。 そこから始める記事です。
先に結論だけ言うと、どちらが得かは決まっていません。 1回あたりの手当が大きいほうと、回数が多いほうがあり、月の合計では逆転します。だからこそ、中身の分け方を知っておく必要があります。
1. 1日を2つに分けるか、3つに分けるか
| 呼び方 | 1日の分け方 | 1回の長さの目安 | 夜勤の回数 |
|---|---|---|---|
| 二交代制 | 日勤と夜勤の2つ | 夜勤は拘束16〜17時間ほど(「16時間夜勤」とも呼ばれます) | 少なくなる |
| 三交代制 | 日勤・準夜勤(じゅんやきん)・深夜勤の3つ | 1回8時間ほど | 多くなる |
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三交代の時間帯は、準夜勤が16時ごろから0時半ごろまで、深夜勤が0時ごろから8時半ごろまでが典型です。二交代の夜勤は、夕方から翌朝までを1回で担当します。
2. 法律が見ているのは、22時から5時までの7時間だけ
ここがいちばん大事なところです。労働基準法が割増賃金(わりましちんぎん=上乗せして払うお金)を求めているのは、22時から翌朝5時までの時間です。この時間に働いた分には、通常の賃金の25%以上を上乗せしなければならないと決まっています。
つまり法律は「夜勤」という言葉を見ていません。その勤務が22時〜5時に何時間かかっているかだけを見ます。
- 三交代の準夜勤 — 0時半までなら、22時〜5時にかかるのは2時間台
- 三交代の深夜勤 — 0時ごろからなら、かかるのは5時間前後
- 二交代の夜勤 — 22時から5時までを丸ごと含むので、7時間(休憩を除いた分)
3. 16時間も働かせて、法律違反にならないのはなぜか
労働時間は1日8時間までが原則です。それなのに16時間の夜勤があるのは、変形労働時間制(へんけいろうどうじかんせい)というしくみを使っているからです。
これは、一定の期間を平均して週40時間に収まっていれば、特定の日に8時間を超えて働かせてよいという制度です(労働基準法32条の2以下)。多くの病院が1か月単位のこの制度を採用しています。採用しているかどうかは、就業規則に書かれています。
4. 求人票では、この3つを一緒に見ます
- 二交代か三交代か(1回の長さが変わります)
- 夜勤手当が1回いくらか(三交代では準夜と深夜で額が違うことがあります)
- 月に何回の夜勤か(「月4〜5回」などと書かれています)
1回の額が大きくても回数が少なければ、月の合計は逆転します。 逆に、回数が多い三交代のほうが月の合計では上回ることもあります。3つを揃えて、はじめて比べられます。
きょう、やること
- いまの勤務表を1枚出して、夜勤の開始と終了の時刻を書き出す(22時〜5時に何時間かかっているかを見ます)
- 給与明細の「夜勤手当」の欄と「深夜割増」の欄が、別々にあるかを確認する(1つにまとまっている職場も多くあります)
- 気になっている求人票の「回数」の欄を見る(1回の額だけでは比べられません)
よくある質問
- Q. 二交代と三交代は、どちらが得ですか。
- 一律には決まりません。二交代は1回あたりの手当が大きくなりやすい代わりに回数が減り、三交代は1回が小さくても回数が増えます。月の合計は「1回あたりの額 × 回数」で決まるため、両方を揃えないと比べられません。
- Q. 深夜割増は何時から何時までですか。
- 労働基準法では22時から翌朝5時までです。この時間に働いた分について、通常の賃金の25%以上を上乗せすることが求められています。勤務の呼び名(夜勤・準夜勤など)ではなく、この時間帯にかかった実労働時間で決まります。
- Q. 16時間の夜勤は法律違反ではないのですか。
- 1か月単位の変形労働時間制などを採用していて、その日の所定労働時間が16時間に設定されていれば、その勤務では法定時間外労働は発生しません。採用しているかどうかは就業規則に書かれています。
- Q. 仮眠の時間にも手当はつきますか。
- 休憩・仮眠は原則として労働時間ではないため、その時間に深夜割増はつきません。ただし、電話対応や急変対応が義務づけられていて自由に過ごせない時間は労働時間として扱われることがあり、実態に応じた個別の判断になります。
- Q. 夜勤は月に何回までと決まっていますか。
- 看護職員一般について、法律で回数の上限が決まっているわけではありません。診療報酬の「月平均夜勤時間数72時間以下」は病棟の平均に対する施設基準で、個人の上限ではありません。
この記事の出典
- e-Gov法令検索 労働基準法(昭和22年法律第49号)
- 厚生労働省 確かめよう労働条件 時間外労働・休日労働・深夜労働
- 日本看護協会 2025年 病院看護実態調査 結果(2026年3月31日公表)
- 厚生労働省 診療報酬改定について
制度は改正されます。手続きをする前に、必ず上記の一次資料または所管の窓口で最新の内容をご確認ください。