裁判員の通知が来たら、まず何を見るか|選ばれる確率と、断れる場合
この記事でわかること
- 名簿に載った通知と、事件の呼出状は段階が違う
- 辞退できる場合は法律で定められ、判断するのは裁判所
- 裁判員に選ばれたことを理由とする不利益な取扱いは禁止されている
- 守秘義務は、裁判が終わったあとも続く
裁判所から封筒が届くと、まず「行かないといけないのか」を調べたくなります。ところがその封筒が何の段階のものかによって、答えがまるで違います。
通知は2段階ある
| 届く時期 | 意味 | その時点ですること | |
|---|---|---|---|
| 裁判員候補者名簿への記載の通知 | 前年の11月ごろ | 翌年の候補者名簿に載った、という連絡 | 同封の調査票に答えて返送する。呼び出しではない |
| 選任手続期日のお知らせ(呼出状) | 事件ごと・期日の6週間前まで | 特定の事件の選任手続に来てほしい、という呼び出し | 質問票に答え、指定された日に裁判所へ行く |
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「通知が来た=裁判員になる」ではありません。 名簿への記載、事件ごとの呼び出し、選任手続でのくじと質疑、という段階を経て、最終的に選ばれます。
辞退できる場合は、法律に書かれている
裁判員法は、辞退を申し立てられる事由を定めています。代表的なものは次のとおりです。
- 70歳以上である
- 学生・生徒である
- 重い病気やけがである
- 同居の親族の介護・養育を行う必要がある
- 自分が処理しなければ事業に著しい損害が生じるおそれがある
- 父母の葬式など、社会生活上の重要な用務がある
仕事は休めるのか
裁判員として職務を行うために休むことについて、労働基準法7条は、労働者が公民としての権利の行使や公の職務の執行のために必要な時間を請求した場合、使用者はこれを拒んではならないと定めています。
さらに裁判員法は、裁判員となったことを理由に、労働者を解雇するなど不利益な取扱いをすることを禁じています。
守秘義務は、終わったあとも続く
裁判員には守秘義務があります。ここは軽く扱われがちですが、任務が終わったあとも消えません。
- 話してはいけないもの — 評議の経過、それぞれの裁判官・裁判員がどんな意見を述べたか、その多少の数(何対何で決まったか)、職務上知った秘密
- 話してよいもの — 公開の法廷で見聞きしたこと、裁判員として参加した感想
「誰がどう言ったか」と「何対何だったか」が線の内側にあります。感想を語ることは想定されていて、裁判所も体験談を公開しています。
選ばれたあとの流れ
- 選任手続 — 呼び出された候補者の中から、質疑とくじで裁判員6人(と補充裁判員)が選ばれます
- 公判 — 法廷で証拠調べと証人尋問を見ます。多くの事件は数日間の日程で組まれます
- 評議 — 裁判官3人と裁判員6人で話し合い、有罪か無罪か、有罪なら刑をどうするかを決めます
- 判決 — 法廷で言い渡されます。ここまでが裁判員の職務です
評議では、全員一致でなくても結論を出せます。 ただし被告人に不利な判断をするには、裁判官と裁判員の双方の意見を含む過半数が必要とされています。裁判員だけの多数では成立しません。
まとめ
- 通知は2段階。 名簿への記載の通知は呼び出しではありません
- 辞退事由は法律にある。判断するのは裁判所。 事実を書いて出すところまでが自分の役割です
- 休むことは拒めない。有給かどうかは会社の制度。 日当は別に支払われます
- 守秘義務は終わったあとも続く。 線は「誰がどう言ったか」と「何対何か」です
よくある質問
- Q. 裁判員候補者名簿に載ったという通知が来ました。裁判所へ行くのですか。
- その段階では行きません。翌年の候補者名簿に載ったという連絡で、同封の調査票に答えて返送するところまでです。事件ごとの呼出状が届いて初めて、指定された日に裁判所へ行くことになります。
- Q. 仕事が忙しいという理由で辞退できますか。
- 辞退事由は裁判員法に定められており、自分が処理しなければ事業に著しい損害が生じるおそれがある場合が含まれます。ただし該当するかどうかを判断するのは裁判所です。質問票に事実を記載して申し出る形になります。
- Q. 会社を休んでも大丈夫ですか。
- 労働基準法7条により、公の職務の執行に必要な時間の請求を使用者は拒めません。また裁判員となったことを理由とする不利益な取扱いは裁判員法で禁止されています。ただしその日を有給とするかどうかは法律で決まっておらず、会社の制度によります。
- Q. 日当はいくらですか。
- 裁判員・補充裁判員は1日あたり1万円以内、選任手続に出席した候補者は8千円以内で、実際の額は従事した時間などに応じて決まります。交通費(旅費)は別に支給されます。
- Q. 裁判が終われば、内容を人に話せますか。
- 話せる範囲と話せない範囲があり、この区別は任務終了後も続きます。公開の法廷で見聞きしたことや参加した感想は話せますが、評議の経過、誰がどのような意見を述べたか、その多少の数は話せません。
この記事の出典
制度は改正されます。手続きをする前に、必ず上記の一次資料または 所管の窓口で最新の内容をご確認ください。