💰 おかね

奨学金が返せないとき、延滞する前に願い出できる3つの制度|収入基準つき

この記事でわかること

  • 制度は3つ。減額返還・返還期限猶予・所得連動返還方式
  • いずれも本人が機構に願い出る手続きで、弁護士に頼む話ではない
  • 収入基準は公表されている。給与所得者なら400万円と300万円が2本の線
  • 延滞してからだと選べる手が減る。順番として先にこちらを見る

奨学金の返還がきついとき、最初に調べるべきなのは債務整理ではありません。日本学生支援機構が用意している、本人が願い出できる3つの制度です。弁護士に依頼しないとできない手続きではなく、公表された数値基準に当てはまるかどうかで決まります。

そして重要なのは順番です。延滞してからでは選べる手が減ります。 きついと感じた時点で見るべき制度なので、線引きの数字だけ先に置いておきます。

3つの制度と、その線

制度何が変わるか給与所得者の基準
減額返還毎月の額を減らし、そのぶん期間を延ばす。総額は変わらない年間収入 400万円以下
返還期限猶予返還そのものを先送りする。猶予中は利息も付かない年間収入 300万円以下
所得連動返還方式毎月の額が前年の所得に連動して決まる第一種で、採用時に選んでいることが前提

← 表は横にスクロールできます →

給与所得以外を含む場合は「年間所得金額」での判定になり、減額返還は300万円、返還期限猶予は200万円が基準です。被扶養者は1人につき38万円を収入から差し引いて判定します。

減額返還 — 総額は減らない

毎月の返還額を減らし、そのぶん返還期間を延ばす制度です。総額が減るわけではないことは押さえておいてください。月々の資金繰りを立て直すための制度で、借金が軽くなる制度ではありません。

使うにはいくつか前提があります。延滞していないこと、口座振替(リレー口座)に加入していること、月賦返還であること。月賦・半年賦併用などを選んでいる場合は対象になりません。

返還期限猶予 — 止める制度

返還そのものを先送りします。基準は減額返還より厳しく、給与所得者で年間収入300万円以下です。そのかわり、猶予されている間は利息が付きません

経済困難以外にも、災害・傷病・生活保護受給・失業・在学など、事由ごとに区分があります。自分がどれに当たるかで提出する書類が変わるので、機構の該当ページで確認してください。

所得連動返還方式 — 選べる人が限られる

毎月の返還額が、前年の課税対象所得に応じて決まる方式です。課税対象所得に9%を掛け、子1人につき33万円を差し引いて算出し、その結果が2,000円未満なら月額2,000円になります。

ただし誰でも選べるわけではありません。第一種奨学金で、平成29(2017)年4月以降に採用されていることが前提になります。第二種にはこの方式がありません。

延滞すると、順番が逆になる

減額返還は延滞していると使えません。つまり「払えないから止まっていた」状態では、いちばん軽い手が塞がっています。返還期限猶予は延滞していても願い出できる場合がありますが、まず延滞ぶんの扱いを機構に相談することになります。

延滞が続くと、延滞金の加算、保証人への請求、一括請求、信用情報機関への登録と段階が進みます。どの段階でも早いほど選択肢が多いというだけの話ですが、これが制度全体でいちばん実利のある一文です。

願い出は機構に直接する

3つとも、日本学生支援機構に本人が願い出る手続きです。弁護士・司法書士でなければできない法律事務ではありません。 手数料を取って代行を持ちかけてくる相手がいたら、まず機構の窓口(スカラネット・パーソナルと奨学金返還相談センター)を確認してください。

よくある質問

Q. 減額返還を使うと、返す総額は減りますか。
減りません。毎月の額を減らして期間を延ばす制度です。月々の資金繰りを立て直すためのもので、債務が軽くなる制度ではありません。
Q. 収入がゼロでも願い出できますか。
できます。収入基準は上限なので、下回っていること自体が要件です。失業を理由にする場合は経済困難とは別の区分があり、提出する書類が変わります。
Q. 延滞していても使える制度はありますか。
減額返還は延滞していると使えません。返還期限猶予は延滞していても願い出できる場合がありますが、延滞ぶんの扱いを含めて機構に相談する必要があります。
Q. 第二種でも所得連動返還方式は選べますか。
選べません。第一種奨学金で、平成29年4月以降に採用されていることが前提です。
Q. このサイトの計算ツールは何を出しますか。
第一種と第二種を合算した毎月の返還額・完済時期・利息と、片方が先に終わって月々が下がる時期を出します。無料・登録不要で、入力した内容は端末の中だけで処理されます。

この記事の出典

制度は改正されます。手続きをする前に、必ず上記の一次資料または 所管の窓口で最新の内容をご確認ください。

あわせて読む

同じ運営者の無料ツール