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キャリアアップ研修を修了しても手当がつかないことがある|処遇改善の「3分の1の枠」

この記事でわかること

  • 月4万円・月5千円は「その人がもらえる額」ではなく、園に払われる単価
  • 単価を掛ける人数には、基礎職員数の3分の1・5分の1という上限がある
  • だから要件を満たしても、枠に収まらず配分されないことが起こる
  • 加算の1/2以上は毎月の給与で払う決まりがあり、賞与だけにはできない

「キャリアアップ研修を修了したのに手当がつかない」という話は、保育の現場でよく出てきます。園が黙って抜いているのだろうかと疑う前に、制度の側にそうなる仕組みがあることを知っておくと、確認する場所が変わります。

鍵は、加算が「単価 × 人数」で計算されていて、その人数に上限があることです。

1. 月4万円・月5千円は「単価」であって、個人の取り分ではない

令和7年度から、処遇改善等加算Ⅰ・Ⅱ・Ⅲが1つの加算に統合され、その中に区分1・区分2・区分3が置かれる形になりました。役職と結びついているのは区分3です。

区分対象単価
区分3-①副主任保育士・専門リーダー等1人あたり月額4万円
区分3-②職務分野別リーダー等1人あたり月額5千円

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この単価に人数を掛けた額が、園に対して支払われます。個人の給与が自動的にこの額になるという意味ではありません。

2. 単価を掛ける人数に、上限がある

ここが本題です。単価を掛ける人数は、要件を満たした人の数そのものではありません。 国が定めた計算方法で上限が決まっています。

区分人数の決め方
区分3-①(月4万円)(基礎職員数 × 1/3) と対象者の合計数の、少ないほう
区分3-②(月5千円)(基礎職員数 × 1/5) と対象者の合計数の、少ないほう

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つまり園の職員のうち、およそ3分の1までが月4万円の枠、5分の1までが月5千円の枠にあたります。

研修を修了して要件を満たす職員が枠より多い場合、園に入ってくる加算額は枠の分までです。 園が「配らない」のではなく、そもそも枠を超える分は入ってきていません。

3. 要件は「研修の修了」だけではない

研修を修了しても、それだけでは対象になりません。要件は複数あります。

区分3-②(職務分野別リーダー等)区分3-①(副主任等)
職位の発令・職務命令必要必要
経験年数概ね3年以上概ね7年以上
担当分野乳児保育・幼児教育・障害児保育・食育アレルギー・保健衛生安全対策・保護者支援子育て支援のいずれか
研修の修了必要必要

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「概ね」の判断は、施設・事業所の職員の構成や状況を踏まえた柔軟な対応が可能とされています。
  • 対象人数は、加算当年度の4月1日時点の研修修了者の人数で判断します
  • 年度途中に修了者を確保して要件を満たした場合は、要件を満たした日の属する月の翌月から加算を適用できます
  • 研修を修了する見込みの人にも配分できます(年度内に修了予定で、研修計画に明示され、本人に周知され、職位や職務命令を受けている場合)

4. 配分にも決まりがある

園の裁量には範囲があります。加算の使い方について、次の決まりが置かれています。

  1. 区分2と区分3を併せた改善額のうち、1/2以上は基本給または毎月支払われる手当で改善する。 賞与や一時金だけにはできません
  2. 区分2に係る加算額は、全額を職員の賃金の改善に充てる
  3. 改善する項目以外の賃金の水準を下げないことが前提(個人の業績評価等に応じて変動するものを除く)
  4. 賃金改善の内容を職員に周知することが、加算の要件のひとつ

園に確認するときに聞くこと

  • 自分の園がどの区分の加算を受けているか。 区分2・区分3は申請が必要で、受けていない園もあります
  • 区分3-①・区分3-②の対象になっている職員がそれぞれ何人いるか
  • 自分が対象に入っていない理由は、要件の都合か枠の都合か
  • 給与明細のどの項目が処遇改善による改善分にあたるのか
  • 改善分が賞与や一時金だけになっていないか(1/2以上は毎月の給与に入る決まりです)

まとめ

  1. 月4万円・月5千円は単価。 園に払われる額の計算に使う数字で、個人の取り分ではありません
  2. 人数に上限がある。 基礎職員数の1/3・1/5と、対象者数の少ないほうです
  3. 要件を満たしても枠に入らないことが起こる。 これは国が定めた計算方法によるものです
  4. 要件は研修だけではない。 職位の発令・経験年数・担当分野もそろって対象になります
  5. 1/2以上は毎月の給与で払う決まり。 賞与だけに寄せることはできません

よくある質問

Q. キャリアアップ研修を修了したのに手当がつきません。園の問題ですか。
そうとは限りません。区分3の加算は単価に人数を掛けて計算され、その人数には基礎職員数の3分の1・5分の1という上限があります。要件を満たす職員が枠より多い場合、園に入る加算額は枠の分までです。まず、要件の都合か枠の都合かを園に確認してください。
Q. 月4万円は必ずもらえる額ですか。
いいえ。これは園に支払われる加算額を計算するための単価です。加算をどの職員にいくら配分するかは、要件の範囲内で各施設が決めます。ただし個別の改善額は月額4万円を超えないものとされています。
Q. 処遇改善の分が賞与にまとめて入っているようです。問題ありませんか。
区分2と区分3を併せた改善額のうち1/2以上は、基本給または決まって毎月支払われる手当により改善することとされています。賞与や一時金だけになっている場合は、その点を園に確認する材料になります。
Q. 年度の途中で研修を修了したら、加算はいつから適用されますか。
対象人数は加算当年度の4月1日時点の研修修了者の人数で判断されますが、年度途中に研修修了者を1人以上確保して要件を満たした場合は、要件を満たした日の属する月の翌月から加算を適用できるとされています。
Q. 経験年数が7年に少し足りません。副主任等の対象になりませんか。
要件は「概ね7年以上」とされており、「概ね」の判断については施設・事業所の職員の構成・状況を踏まえた柔軟な対応が可能とされています。個別の当てはめは園と自治体の判断になります。

この記事の出典

制度は改正されます。手続きをする前に、必ず上記の一次資料または 所管の窓口で最新の内容をご確認ください。

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