🏠 くらし

出産育児一時金50万円は「窓口で払わなくて済む」お金|直接支払と受取代理の違い

この記事でわかること

  • 2023年4月1日以降の出産で1児につき50万円(条件を満たさない場合は48.8万円)
  • 妊娠85日(4か月)以降であれば、死産・流産・人工妊娠中絶も対象
  • 直接支払制度は保険者が医療機関へ直接支払う。窓口で払うのは差額だけ
  • 受取代理制度は出産予定日まで2か月以内の人が対象で、事前の届出が要る

産休・育休のお金は、ほとんどが後払いです。出産手当金も育児休業給付金も、休んだ実績を確認してから支給されるので、入ってくるまでに時間差があります。

その中で出産育児一時金だけは性質が違います。 受け取り方を選べば、退院時に窓口で大きな額を用意しなくて済むからです。

1. 額は1児につき50万円

条件支給額
産科医療補償制度に加入する医療機関等で、在胎週数22週以降に出産した場合1児につき50万円
上記に当たらない場合(在胎週数22週に達しなかった出産など)1児につき48.8万円

← 表は横にスクロールできます →

全国健康保険協会(協会けんぽ)の公表内容より。2023年4月1日以降の出産が対象です。

2. 対象になる出産の範囲

見落とされやすいのがここです。出産育児一時金の対象になるのは、妊娠85日(4か月)以降の出産です。

そして生産(早産を含む)だけでなく、死産(流産)、人工妊娠中絶も該当します。 無事に生まれた場合だけの制度ではありません。

3. 受け取り方は3通りある

受け取り方お金の流れ対象・条件
直接支払制度保険者から医療機関等へ直接支払われる。 窓口で払うのは、出産費用が50万円を超えた差額だけ医療機関等が制度に対応している場合。出産する施設で合意文書を交わします
受取代理制度被保険者が受け取るべき一時金を、医療機関等が本人に代わって受け取る出産予定日まで2か月以内の人が対象。事前に保険者へ届出が必要です
あとから請求(産後申請)窓口で全額を支払い、あとから請求して本人が受け取る上の2つを使わない場合。退院時にいったん全額を用意する必要があります

← 表は横にスクロールできます →

直接支払制度に対応していない小規模な施設のために、受取代理制度が用意されています。

出産費用が50万円に満たなかった場合、差額は本人が請求して受け取れます。 直接支払制度を使った場合でも、差額の請求は別に手続きが要ります。

4. 後払いの給付とは、役割が違う

産休・育休のお金は、性質で2つに分かれます。この2つを混ぜて数えると、手元の現金の動きを読み違えます。

  • 一時金(出産育児一時金) — 出産という事実に対して支払われます。直接支払制度を使えば、そもそも手元を通らずに医療機関へ渡ります
  • 後払いの給付(出産手当金・育児休業給付金) — 休んだ実績を確認してから支給されます。申請から入金まで時間がかかるので、その間は入金が無い期間になります

つまり出産育児一時金は「谷」を埋めるお金ではなく、谷を深くしないためのお金です。窓口で50万円を払ってからあとで戻す形にすると、いちばん現金が要る時期に自分で立て替えることになります。

まとめ

  1. 2023年4月1日以降の出産で、1児につき50万円(条件を満たさない場合は48.8万円)
  2. 妊娠85日(4か月)以降であれば、死産・流産・人工妊娠中絶も対象です
  3. 直接支払制度なら、窓口で払うのは差額だけ。分娩予約のときに対応を確認します
  4. 受取代理制度は出産予定日まで2か月以内が対象で、事前の届出が要ります
  5. 費用が50万円に満たなかった場合の差額は、別に請求できます

よくある質問

Q. 出産育児一時金はいくらもらえますか。
2023年4月1日以降の出産について、産科医療補償制度に加入する医療機関等で在胎週数22週以降に出産した場合は1児につき50万円、それ以外の場合は1児につき48.8万円です。多胎の場合は人数分が支給されます。加入している健康保険組合によっては付加給付が上乗せされることがあります。
Q. 直接支払制度と受取代理制度は何が違いますか。
直接支払制度は保険者から医療機関等へ直接支払われる制度で、出産する施設で合意文書を交わします。受取代理制度は、被保険者が受け取るべき一時金を医療機関等が本人に代わって受け取る制度で、出産予定日まで2か月以内の人が対象となり、事前に保険者へ届出が必要です。直接支払制度に対応していない施設のために用意されています。
Q. 流産や死産でももらえますか。
妊娠85日(4か月)以降であれば、生産(早産を含む)だけでなく、死産(流産)、人工妊娠中絶も対象になります。手続きの窓口は加入している健康保険です。
Q. 出産費用が50万円より安かった場合、差額はどうなりますか。
差額は本人が請求して受け取ることができます。直接支払制度を利用した場合でも、差額の請求は別途手続きが必要です。加入している健康保険の窓口で申請してください。
Q. 出産手当金や育児休業給付金とは別のお金ですか。
別の制度です。出産育児一時金は出産という事実に対して支払われる一時金で、出産手当金は産休中に給与が支払われないことに対する給付、育児休業給付金は育児休業に対する給付です。後の2つは休んだ実績を確認してから支給されるため、入金までに時間差があります。

この記事の出典

制度は改正されます。手続きをする前に、必ず上記の一次資料または所管の窓口で最新の内容をご確認ください。

あわせて読む

同じ運営者の無料ツール