耐震診断と補助金は、順番を間違えると出ない|契約より先に申請する
この記事でわかること
- 補助は工事の契約前・着工前の申請が条件になっていることが多い
- 補助の有無・金額・対象の建築年は、自治体ごとにまったく違う
- 木造の診断は上部構造評点で判断し、1.0以上が必要とされている
- 診断を頼む前に建築確認済証・検査済証・間取り図を探しておく
耐震改修の補助でいちばん多い取りこぼしは、金額でも条件でもなく順番です。多くの自治体で、工事の契約や着工より前に申請していることが補助の条件になっています。
工事業者と話を進めてから役所に行くと、要件は全部満たしているのに補助が出ないということが起こります。この記事では、順番と確認先だけを整理します。金額は書きません(自治体ごとに違うため、書いた時点で当てはまらない地域が出ます)。
1. 順番
- 自分の家がどの基準で建てられたかを確認する。 基準は築年月ではなく建築確認の日で決まります
- 市区町村の窓口に、補助制度の有無と条件を聞く。 建築住宅課などが担当です
- 耐震診断を受ける。 診断そのものに補助や無料派遣がある自治体もあります
- 補強設計・工事の見積もりを取る。 ここでまだ契約はしません
- 補助を申請し、交付決定を受ける
- 契約・着工する
2. 補助は自治体ごとにまったく違う
国の制度として全国一律の額が決まっているわけではありません。有無・金額・条件・対象になる建築年のすべてが自治体ごとに違います。
- 耐震診断だけを補助する自治体、診断から改修までを通して支援する自治体があります
- 無料で診断士を派遣している自治体もあります(旧耐震基準の木造住宅を対象にしていることが多いですが、範囲は自治体によって異なります)
- 家具の転倒防止器具の取り付け費用を補助している自治体もあります。これは建物の耐震性とは別に、今日から手をつけられる部分です
- 予算に上限があり、年度の途中で受付が終わることがあります
3. 診断で出るのは「上部構造評点」という数字
木造住宅の耐震診断で広く使われているのは、一般財団法人 日本建築防災協会の「木造住宅の耐震診断と補強方法」で、一般診断法と精密診断法があります。
診断では上部構造評点という数値を出します。必要な耐震性能を満たすには、上部構造評点が1.0以上である必要があるとされ、1.0未満の場合は耐震補強等が必要という判定になります。
| 用意しておくもの | どこにあるか |
|---|---|
| 建築確認済証 | 引き渡し時の書類一式。無い場合は役所で台帳記載事項証明を取れることがあります |
| 検査済証 | 同上 |
| 間取り図(平面図) | 同上。リフォーム時の図面があればそれも |
| 増改築の履歴 | 工事の契約書・領収書など |
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4. マンションは、管理組合の側に記録がある
分譲マンションでは、耐震診断も改修も管理組合の合意が必要で、個人だけでは動きません。代わりに、調べる材料は残っています。
- 総会の議事録・長期修繕計画に、耐震診断の実施や耐震改修の議案が出ていないか
- 建築確認日は管理組合や役所で確認できます
- 購入を検討している段階なら、仲介会社に「耐震診断の記録はありますか」と聞く
診断済みかどうか、改修の議論があったかどうかを知っておくこと自体が、住み続けるか・買うかを判断する材料になります。
まとめ
- 契約より先に申請。 交付決定の前に着工すると対象外になることがあります
- 補助は自治体ごとにまったく違う。 有無・金額・対象の建築年まで違います
- 診断で出るのは上部構造評点。 1.0以上が必要とされています
- 建築確認済証・検査済証・間取り図を先に探す。 診断の話が早く進みます
- マンションは管理組合の記録を見る。 総会議事録と長期修繕計画に残っています
よくある質問
- Q. 工事の契約をしてしまいました。補助はもう受けられませんか。
- 制度によります。多くの自治体で交付決定前の契約・着工は対象外とされていますが、条件は自治体ごとに違います。まずお住まいの市区町村の担当窓口に、契約日を伝えて確認してください。
- Q. 補助金はいくらもらえますか。
- 当サイトでは金額を書いていません。補助の有無・金額・条件・対象となる建築年は自治体ごとにまったく違うため、特定の額を書くとその額が出ない地域の方に事実と違う案内になるためです。お住まいの市区町村の案内をご確認ください。
- Q. 耐震診断は無料で受けられますか。
- 無料で診断士を派遣している自治体もあります。旧耐震基準の木造住宅を対象にしていることが多いですが、対象範囲は自治体によって異なります。市区町村の建築住宅課などにお問い合わせください。
- Q. 上部構造評点が1.0未満だと、必ず工事が必要ですか。
- 1.0未満の場合は耐震補強等が必要という判定になります。ただし、どの工事をどこまで行うかは建物の状況と診断結果によって変わるため、当サイトでは個別の判断はしていません。診断を行った専門家にご確認ください。
- Q. 今日からできることはありますか。
- 家具の転倒防止器具の取り付けは、建物の耐震性とは別に手をつけられる部分です。取り付け費用を補助している自治体もあります。
この記事の出典
- 国土交通省 住宅・建築物の耐震化について
- 国土交通省 住まいの耐震化 補助金・支援制度について
- 一般財団法人 日本建築防災協会
- e-Gov法令検索 建築物の耐震改修の促進に関する法律(平成7年法律第123号)
制度は改正されます。手続きをする前に、必ず上記の一次資料または 所管の窓口で最新の内容をご確認ください。