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退職する月を1か月ずらすと、手元に残る額が変わる|求人票に書かれていない4つ

この記事でわかること

  • 辞める月で金額が変わるものは4つあり、どれも求人票に載らない
  • 1〜5月に辞めると住民税が最後の給与からまとめて引かれる
  • 自己都合退職は、待期7日のあとさらに給付制限が1か月ある
  • 「次が決まってから辞める」と、この4つの多くが消える

転職の相談で最初に聞かれるのは「いつから働けますか」です。ところが手元に残る額を大きく動かすのは、入社日ではなく退職日のほうです。辞める月が1か月ずれるだけで、受け取れるものと払うものが両方変わります。

しかもこの4つは、求人票にも内定通知にも一切書かれません。 書く側の話ではないからです。ここでは仕組みと順番だけを整理します。

辞める月で変わるものは4つ

変わるものどちらに動くか効く時期
賞与受け取れる/取り逃す支給月の直前に辞めると消える
未消化の有給使い切れる/捨てる退職日までに消化できるか
住民税一括で引かれる/分けて払う1〜5月に辞めると最後の給与でまとめて
失業給付すぐ出る/数か月待つ自己都合か会社都合か、被保険者期間の長さ

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金額の大きさは人によって順番が入れ替わります。賞与のある会社では賞与が最大になることが多く、賞与のない会社では住民税と失業給付の待ち時間が効いてきます。

賞与は「支給日に在籍しているか」で決まることが多い

賞与の支給条件は法律ではなく、それぞれの会社の就業規則や賃金規程に書かれています。 多くの規程には「支給日に在籍していること」という条件があり、これがあると査定期間をまるまる働いていても、支給日の前に退職していれば受け取れません。

有給は「捨てる」と決めない

未消化の有給休暇は、退職日までに使い切らなければそこで消えます。 会社に買い取り義務はありません(退職時の買い取りは違法ではありませんが、義務でもないので、規程になければ行われません)。

つまり有給は「金額」ではなく「日数」で持っていて、退職日を後ろにずらすことでだけ金額に変わります。 20日残っていれば、およそ1か月ぶんの給与に相当します。退職を申し出る時期を決めるとき、この日数を先に数えておくと交渉の材料になります。

1〜5月に辞めると、住民税がまとめて引かれる

住民税は前年の所得に対してかかり、6月から翌年5月までの12回に分けて給与から天引きされています。ここが退職月と噛み合っていません。

  • 1〜5月に退職 — 5月分までの残りが、最後の給与や退職金から一括で徴収されます(地方税法321条の5)。3月に辞めれば3か月ぶんがまとめて引かれる計算です
  • 6〜12月に退職 — 退職月までは天引きで、残りは自分で納付書で払う形(普通徴収)に切り替わります。会社に申し出れば一括徴収にすることもできます

失業給付は、辞めた翌日からは出ない

受給資格があっても、手続きの日から7日間は待期期間(雇用保険法21条)で、この間は支給されません。さらに自己都合で辞めた場合は、待期のあとに給付制限が付きます(法33条1項)。令和7年4月1日以降の離職では原則1か月です。

自己都合会社都合
受給資格離職前2年間に被保険者期間12か月以上離職前1年間に6か月以上
待期7日7日
給付制限原則1か月なし
所定給付日数被保険者期間で90〜150日年齢と期間で90〜330日

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受給資格・給付制限・所定給付日数はいずれも雇用保険法(13条・22条・23条・33条)にもとづきます。日数は年齢と被保険者期間の組み合わせで決まるため、同じ「会社都合」でも人によって大きく違います。

もうひとつ見落とされるのが、基本手当のもとになる賃金日額に賞与が入らないことです(法17条1項)。年収に占める賞与の割合が高い人ほど、年収の印象より基本手当が小さく出ます。

空白期間を作ると、払う側が増える

次の職場に移るまでに間が空くと、それまで会社が半分払っていたものを全額自分で払うことになります。金額として確実に効くのは次の3つです。

  1. 国民年金 — 令和8年度は月額17,920円。所得が下がっていれば免除・猶予の申請ができます
  2. 健康保険 — 任意継続を選ぶと、それまで労使折半だった保険料が全額自己負担になります(最長2年)。国民健康保険と比べてどちらが安いかは人によって逆転します
  3. 住民税 — 前年分なので、無職でも払います

まとめ

  1. 賞与の支給日と退職日の前後を、先に確かめる。 1日で数十万円動くことがあります
  2. 有給は日数で持っている。 退職日を後ろにずらしたぶんだけ金額になります
  3. 1〜5月の退職は、住民税が最後の給与でまとめて引かれる。 手取りの見込みを立て直します
  4. 自己都合は待期7日+給付制限1か月。 空白期間の生活費はこの前提で数えます
  5. 次が決まってから辞めれば、この4つのうち3つは効かなくなる。 空白期間を作るかどうかがいちばん大きい分岐です

よくある質問

Q. ボーナスをもらってすぐ辞めると、返さないといけませんか。
賞与の返還を定めた規程は一般的ではありませんが、支給条件は各社の賃金規程によります。まず自社の規程を確認してください。なお「支給日に在籍していること」を条件とする規程は多く、こちらは支給日前に退職すると受け取れないという形で効きます。
Q. 退職するとき、有給は買い取ってもらえますか。
会社に買い取りの義務はありません。退職時の買い取り自体は違法ではありませんが、規程になければ行われないのが通常です。使い切りたい場合は、退職日を有給の残日数のぶん後ろにずらして消化する形になります。
Q. 3月に辞めると住民税はどうなりますか。
1〜5月の退職では、その年度の5月分までの住民税が最後の給与や退職金から一括で徴収されます(地方税法321条の5)。3月退職なら3〜5月分がまとめて引かれる計算です。
Q. 自己都合でも失業給付はもらえますか。
離職前2年間に被保険者期間が通算12か月以上あれば受給資格があります。ただし手続き後7日の待期に加えて、原則1か月の給付制限があります(令和7年4月1日以降の離職)。
Q. 在職中に転職先を決めれば、この話は関係なくなりますか。
住民税の一括徴収は退職月によって発生しますが、失業給付の待ち時間と空白期間の社会保険料は発生しません。賞与と有給は退職日の決め方次第で残ります。4つのうち2つが消える、という理解が実態に近いです。

この記事の出典

制度は改正されます。手続きをする前に、必ず上記の一次資料または 所管の窓口で最新の内容をご確認ください。

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